きくまさブログ

俺の歴史にまた1ページ

イツワリの契り

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24歳の時に友達の紹介で知り合った

ひとつ下の看護師の女の子と付き合った

 

出逢ってすぐに、そういう関係になった

 

"私達ってどういう関係なの?"

 

" えっ!? " 俺の中では一瞬だけど時が

止まったような感じだった

口には出さなかったが心の中では

" まだまだ知らない事ばかりで、どういう人間なのか

全くわかる訳もなく、だからさその内に "

なんて言える訳もなく

テメェの口から言い放った言葉が

" どういう関係なのって、付き合ってるんでしょ? "

言ってしまった、なんで言っちゃったんだろ?

その言葉が結婚までの道筋をつくってしまうなんて

その言葉で自分を…………

 

それから1年位たった

向こうの母さんの家に呼ばれて行った

あっちの母さんは旦那さんと別れて

シングルマザーになっていた

マンションのリビングでテーブルをはさみあい

彼女と母さん2人と向かい合って座った

誰も何も喋らず嫌な予感がしてた

 

あちらの母さんから " ごめんね "  急に謝られた

事態がのみ込めない  " えっ! " また沈黙が続く

" 実はね……… "

 

なんと赤ちゃんが出来てたと言う事だった

向こうの母さんは産婦人科の看護主任だから

なんも心配はいらないと思っていた

 

でもすぐに 、えっ!?  " 実はね " ? 

えっ!えっ!えっ!マジか!マジか!マジか!

なんと言ったら良かったのか何も言えなかった

なにか嫌な予感が

 

" でもね "

 

でもね?でもねって?でもね?でも?なに?

どういう事?なにが?でもねってなに?

心の中でなのか頭の中でなのか

思っていたのか考えていたのか

わからなかったけど、巡っていた

 

彼女は泣いていて何も話さない

 

赤ちゃんが出来たというのに

なんでそんな悲しい泣き方するのか

まだまだ若いから産むなという事なのか

頭の中では色々と、あーでもない、こーでもない

考えてはいるが田舎のイケイケの若者の頭では

なんにも考えつかない思いつかないのである

 

何分かの沈黙と彼女の泣く音だけが

リビングの空気を重くする

 

向こうの母さんから

" ごめんね……実はね…… "

説明を受ける……

……

……

……

喘息の薬のせいで………

……

……

……

……

……

そうなんですか………はい………

 

そういえば最近の1ヶ月位は連絡も来ず

仕事が忙しいんだろうなとしか思ってなかった

オペ室勤務だったから…

 

説明されたけど飲み込めず

なんと言えば良いのか

なんて声をかければ良いのか

なんて言えば……

 

泣いていた彼女が  " ごめんね "   " ごめんなさい "

何度も言っていた

何も言えない

気の利いた事など何も言えない

いたわる言葉も出ない

出た言葉が " そうか "   " そうですか " 

ホントに何も出てこず言えず

今思えば馬鹿野郎だった

何も言ってあげれないなんて

 

話をした後

彼女の部屋で2人きりで話したよ

彼女が " ごめんね 私が悪いの " 

俺からも"もういいんだよ、仕方ないから、仕方ない"

 

何が仕方ないのか

出来た命が消えたのに

何が仕方ないのだろう

今頃だけど今更だけど

 

今だから振り返れるんだろうなあ

 

悲しいのは確かだった

まだ覚えてる

だって忘れる訳がないよ

初めての子供だったんだから

 

その日の夜

部屋で1人で泣いたよ

なんでか涙が勝手に出てきて止まらなかった

次の日は会社で笑えれなかった

全く笑えれなかった

ため息ばかりで、、、

 

その1年後ぐらい後に赤ちゃんが出来た

今度は何も薬は飲んでないって

俺への報告が遅れたのは

安定するまでは言えなかったと言うことだった

向こうの母さんにも言われた

嬉しそうにエコー写真を見せてきた

 

俺の心は複雑だった

付き合って時間が経つとともに

その人となりが見えてきて

嫌なところが、めっちゃ目に付いて

日に日に性格のキツさと束縛が酷かった

コイツとは結婚は無いだろうなと

思い始めてたから

だいたいヤキモチと嫉妬で

何人の友達を無くしたことか…………

 

俺もハイハイって言えれば良かったんだろうけども

なんせかんせ言えない!

カチンときたら言ってしまう

手は出さなかったけども口喧嘩は言われても

言われなくても、買ったり売ったりしてたから

今だから言えるけど、俺も悪かったなと思う

まぁ、しゃーないよね

こっちもこっちなんだから悪いのは俺だよな

 

婚姻届に書けって言われた時は

ちよっとブルったね、、、笑笑笑

自分の親にも何も言ってなかったから

その日の夜に彼女連れて報告しに行ったけどね

 

父ちゃんも母ちゃんも

ばあちゃんまでも喜んでたよ

なんせ初孫だし曾孫できるんだから

 

この女とは結婚したくないと思ったまま

結婚するなんて

ましてや子供まで作るなんて

 

優柔不断で責任感も無く行き当たりばったりで

適当で悪い人間だった

そう思う

 

自分に偽って偽り通した3年間だった

26歳で結婚して30歳で離婚

その時の男の子はもう………歳

うちの、ばあちゃんの葬式の時に線香あげに

あの女と息子が葬儀場まで来たけど

会いたくなかった

別れる時に、あの女が言い放った言葉が

いまだに覚えている

 

……………

 

だいぶんいい歳ぶっこいてるからさ

もう自分や人に偽ったらダメだね

そのままで、そのままで、辛い思いするのは

自分と相手だから

他の人まで巻き込んじゃ身も蓋もないよ

 

SNSでも偽ってないよ、演じてもいないから

イツワリは疲れるよ

なんにしても疲れる

 

一体誰の話を書いてるんだって?

たぶんホントにあった俺の話